高齢者の睡眠は変化する
加齢に伴い、睡眠のパターンは変化します。深い眠り(ノンレム睡眠)の割合が減り、浅い眠りが増えるため、夜中に目が覚めやすくなります。また、体内時計の変化により早寝早起きの傾向が強まり、早朝に目覚めてしまうことも増えます。
こうした変化は「加齢の自然な変化」である部分もありますが、睡眠の質が著しく低下している場合は、健康への影響が生じている可能性があります。
睡眠の質が低下することで起きること
認知機能への影響として、睡眠中に脳内の老廃物(アミロイドβなど)が排出されることが研究で示されています。慢性的な睡眠不足・睡眠の質の低下は、認知機能の低下や認知症リスクの上昇と関連するとされています。
身体機能への影響として、睡眠不足は筋肉の回復・免疫機能の維持・ホルモンバランスの調整に影響を与えます。日中の倦怠感・集中力低下・転倒リスクの上昇にもつながります。
精神的健康への影響として、睡眠の問題はうつ症状と双方向に関連しています。眠れないことが不安や気力低下を招き、それがさらに睡眠を妨げるという悪循環が起きやすくなります。
高齢者の睡眠改善のための基本的なアプローチ
日中の適度な活動として、日中にしっかり動くことが夜の睡眠の質向上につながります。ウォーキングなどの有酸素運動・社会参加・外出が有効です。
光の活用として、日中は日光を浴びて体内時計を整えることが重要です。朝の光を浴びることが夜の睡眠に良い影響を与えます。
就寝前の環境整備として、就寝前のカフェイン・アルコール摂取を控え、室温・照明を整えることで入眠を促しやすくなります。
薬の確認として、睡眠薬・抗不安薬・降圧薬など、複数の薬が睡眠に影響する場合があります。かかりつけ医への相談が重要です。
睡眠データを継続的に把握することの意義
ウェアラブルデバイスは睡眠時間・途中覚醒・睡眠の深さを継続的に記録できます。「ここ数週間で睡眠が乱れ始めている」という変化を早期に把握し、適切な対応につなぐことができます。
まとめ
睡眠の質の低下は、認知機能・身体機能・精神健康に広範な影響を与えます。高齢者の睡眠問題を「歳のせい」と放置せず、日常生活の改善と継続的なモニタリングで対処することが、健康寿命の延伸につながります。
※STARTWELLは、病気の治療・予防を目的とするものではありません。
ナースアンドクラフト株式会社 広島県呉市大崎下島を拠点に、訪問看護・予防医療・デジタルヘルスを組み合わせた地域医療インフラの構築に取り組んでいます。 2026年 ASEANハイレベル会合登壇|2024年 アジア健康長寿イノベーション賞 テクノロジー&イノベーション部門 大賞受賞