人口減少と高齢化が同時に進む現実
日本の多くの自治体は、高齢者の絶対数が増加する一方で、支える側の現役世代の人口が減少するという二重の課題に直面しています。特に地方の自治体では、医療・介護の担い手不足が深刻化しており、「今の体制を維持するだけでも精一杯」という状況が広がっています。
従来の延長線上で人的リソースを確保しようとするアプローチには限界があります。「支える人を増やす」だけでなく、「テクノロジーで補完する」「地域の互助を機能させる」という複数の手段を組み合わせた、持続可能な支援体制の設計が求められています。
持続可能な支援体制の3つの柱
住民主体の互助機能の強化として、自治会・民生委員・ボランティアによる互助の仕組みを制度と連携させることで、行政・専門職の負担を分散できます。ただし、担い手自身の高齢化への対応として、若い世代の参加促進と活動の簡略化・デジタル化が必要です。
デジタルヘルスによる遠隔支援として、ウェアラブルデバイスやセンサーを活用した遠隔モニタリングは、人手をかけずに継続的な状態把握を実現できます。一人の専門職が遠隔でより多くの高齢者の状態を把握できるようになることで、限られた人材の活用効率が高まります。
民間事業者・NPOとの協働として、自治体だけで高齢者支援のすべてを担うのではなく、民間の宅配サービス・金融機関・薬局・NPOなどと役割分担しながら、地域全体のセーフティネットをつくる発想が重要です。
離島・中山間地域での先行モデルとしての意義
ナースアンドクラフト株式会社が拠点を置く広島県呉市大崎下島は、高齢化率約70%・人口約1400人の島です。この地域での実践は、人口減少と高齢化が極限まで進んだ状況での支援モデルとして、全国の自治体が直面する未来の課題への処方箋になり得ます。
STARTWELLは、こうした地域でのデジタルヘルスと人の伴走支援の組み合わせを通じて、「少ない人手でより多くの高齢者を継続的に支える」モデルの実証を積み重ねています。
まとめ
人口減少時代に持続可能な高齢者支援体制を整えるためには、互助・デジタル・民間協働の3つを組み合わせた多層的なアプローチが必要です。先行して課題が深刻化している地域での実践知を取り入れながら、自治体独自の体制を設計することが求められます。
※STARTWELLは、病気の治療・予防を目的とするものではありません。
ナースアンドクラフト株式会社 広島県呉市大崎下島を拠点に、訪問看護・予防医療・デジタルヘルスを組み合わせた地域医療インフラの構築に取り組んでいます。 2026年 ASEANハイレベル会合登壇|2024年 アジア健康長寿イノベーション賞 テクノロジー&イノベーション部門 大賞受賞