フレイルは「口」から始まることがある

フレイルは身体全体の虚弱状態ですが、その入口のひとつが「口腔機能の低下」であることが近年注目されています。「オーラルフレイル」とは、加齢に伴う口腔機能の低下(噛む力・飲み込む力・口の動きの衰え)が、全身のフレイル進行につながる状態のことです。

日本歯科医師会や厚生労働省も、オーラルフレイルの予防を全身のフレイル予防の重要な柱として位置づけています。


オーラルフレイルの主なサイン

オーラルフレイルの早期サインとして、食べこぼしが増えた・硬いものが食べにくくなった・むせることが増えた・滑舌が悪くなった・口が乾きやすくなったなどが挙げられます。

これらは「加齢のせい」として見過ごされがちですが、放置すると食事量の減少・低栄養・誤嚥性肺炎リスクの上昇という深刻な影響につながります。


口腔機能低下が全身に与える影響

栄養不足との関連として、噛む力が低下すると食べられるものが限られ、タンパク質・野菜など必要な栄養素が不足しやすくなります。低栄養はサルコペニア・フレイルの直接的な要因です。

誤嚥性肺炎リスクとして、飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」が起きやすくなります。高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎が原因であり、入院・重症化のリスクが高い状態です。

認知機能との関連として、咀嚼(噛むこと)は脳への血流を高め、認知機能の維持に寄与するとされています。歯の喪失・咀嚼機能の低下と認知症リスクの関連を示す研究もあります。

社会参加への影響として、「食事がうまく食べられない」「人前で話すのが恥ずかしい」という状態は、外食や交流の機会を減らし、孤立につながる可能性があります。


オーラルフレイル予防のポイント

定期的な歯科受診として、歯の健康を保つことが口腔機能の基盤です。義歯が合っていない場合は調整することが重要です。口腔体操・パタカラ体操として、「パ・タ・カ・ラ」を繰り返す口腔体操は、口の筋力・嚥下機能の維持に有効とされています。よく噛む食習慣として、食材を硬さのあるものも取り入れ、しっかり噛む習慣を維持することが予防につながります。


まとめ

オーラルフレイルは、口腔機能の低下が全身のフレイル・栄養不足・誤嚥性肺炎・認知機能低下につながる重要な入口です。「口の健康」を全身の健康の一部として捉え、早期のサインに気づき、歯科受診・口腔体操・食習慣の改善に取り組むことが大切です。

※STARTWELLは、病気の治療・予防を目的とするものではありません。


ナースアンドクラフト株式会社 広島県呉市大崎下島を拠点に、訪問看護・予防医療・デジタルヘルスを組み合わせた地域医療インフラの構築に取り組んでいます。 2026年 ASEANハイレベル会合登壇|2024年 アジア健康長寿イノベーション賞 テクノロジー&イノベーション部門 大賞受賞

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