転倒は高齢者の健康を大きく損なう

高齢者の転倒は、骨折・入院・寝たきりのきっかけになり得る深刻な出来事です。厚生労働省のデータによれば、高齢者の骨折・転倒は要介護状態になる原因の第4位を占めており、軽視できない課題です。
特に大腿骨(股関節付近)の骨折は、手術・長期入院・リハビリが必要になるケースが多く、その後の生活の質を大きく左右します。また、転倒への恐怖から外出や活動を控えるようになることで、フレイルが急速に進行するという悪循環も起きやすいです。


転倒リスクを高める主な要因

高齢者の転倒リスクには、身体的要因・環境的要因・薬剤的要因の3つが重なり合っています。

  • 身体的要因としては、筋力の低下・バランス機能の低下・視力の衰え・歩行速度の低下・認知機能の変化などが挙げられます。
  • 環境的要因としては、自宅内の段差・滑りやすい床・暗い照明・手すりの不備などが転倒の引き金になることがあります。
  • 薬剤的要因としては、睡眠薬・降圧薬・利尿薬など複数の薬を服用している高齢者は、ふらつき・めまい・低血圧などが起きやすく、転倒リスクが高まります。

事業者が取り組める転倒リスク低減のアプローチ

訪問看護・在宅介護・高齢者施設の事業者が、利用者の転倒リスク低減のために取り組める具体策を以下に示します。

  • 定期的な転倒リスクアセスメントとして、歩行の安定性・握力・バランス機能などを定期的に確認し、リスクが高い利用者を早期に把握することが重要です。
  • 運動プログラムの提供として、筋力・バランス機能を維持・改善するための運動プログラムを取り入れることで、転倒リスクを下げることができます。
  • 住環境の整備支援として、自宅訪問の機会を活用して、段差解消・手すり設置・滑り止めマットの活用などを提案・支援することも重要な役割です。
  • 薬剤管理への注意として、多剤服用が転倒リスクにつながっている可能性がある場合は、かかりつけ医や薬剤師への相談を促すことが求められます。

日常の活動データで変化をいち早く察知する

転倒リスクが高まるサインは、日常生活の変化として現れることがあります。「最近歩数が減った」「歩行ペースが落ちた」「夜中に目が覚める回数が増えた」といった変化は、筋力低下・バランス機能の悪化・睡眠障害などを示している可能性があります。
ウェアラブルデバイスによる継続的なデータ収集は、こうした変化を客観的に把握するための手段として機能します。ナースアンドクラフト株式会社のSTARTWELL(スタートウェル)では、ウェアラブルデバイスのデータを継続的にモニタリングし、気になる変化があれば専門スタッフが早期にフォローアップする体制を持っています。


まとめ

転倒は高齢者の生活の質を大きく損なうリスクであり、在宅介護・訪問看護・施設ケアのいずれにおいても、予防的な取り組みが重要です。定期的なアセスメント・運動プログラム・住環境整備に加え、日常の活動データを継続的に把握する仕組みを組み合わせることで、より早いタイミングでのリスク察知と対応が可能になります。


ナースアンドクラフト株式会社 広島県呉市大崎下島を拠点に、訪問看護・予防医療・デジタルヘルスを組み合わせた地域医療インフラの構築に取り組んでいます。 2024年 アジア健康長寿イノベーションアワード テクノロジー&イノベーション部門 グランプリ受賞

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