介護現場が抱える「人手不足」と「記録業務の負担」
介護業界は慢性的な人手不足が続いており、現場スタッフの業務負担は年々増加しています。利用者へのケア提供に加え、記録・報告・連絡といった事務的な業務が大きな負担となっており、「ケアに使う時間が足りない」という声が現場から絶えません。
こうした状況を打開する手段として、ICT(情報通信技術)の活用が介護業界でも本格的に広がっています。2021年には介護報酬改定で「ICT活用による生産性向上」が評価対象となり、国としても導入を後押しする方向が明確になっています。
介護事業者が活用できる主なICTツール
介護記録システムとして、紙からタブレット・スマートフォンへの移行により、記録時間の大幅な短縮が可能です。リアルタイムでの情報共有も実現でき、スタッフ間の連携が円滑になります。
シフト管理・勤怠管理システムとして、スタッフのシフト作成や勤怠管理をデジタル化することで、管理業務の工数削減と人件費の適正化が図れます。
センサー・見守りシステムとして、ベッドセンサーや居室カメラを活用することで、夜間の転倒・異変をいち早く察知し、少ない人員でも安全なケアを実現できます。
ウェアラブルデバイスによる健康モニタリングとして、入居者・利用者の日常的な活動量・睡眠・心拍数などのデータを継続的に収集することで、状態の変化を早期に把握し、ケアプランの改善にも活かせます。
ICT導入で「ケアの質」を高めるという視点
ICTの活用は、単なる業務効率化だけが目的ではありません。記録やシフト管理にかかる時間が減れば、その分をスタッフが直接利用者と向き合う時間に充てることができます。
また、データに基づいたケアの「見える化」は、利用者・家族への説明責任を果たすうえでも有効です。「この方はここ1ヶ月で歩数が増えています」「睡眠が安定してきました」といった具体的なデータは、家族への信頼醸成にも直結します。
導入時の現実的な課題と対策
ICT導入においては、スタッフの年齢層や習熟度への配慮が必要です。操作が複雑なシステムは定着しにくく、かえって現場の負担を増やすリスクがあります。直感的に使えるシンプルなUIであること、導入後の研修・サポート体制が整っていることを確認して選定することが重要です。
また、初期費用・ランニングコストと得られる効果のバランスを、実際の現場規模・業務量に合わせて試算したうえで導入の判断をすることが求められます。
STARTWELLのウェアラブル活用との連携可能性
ナースアンドクラフト株式会社のSTARTWELL(スタートウェル)は、ウェアラブルデバイスによる生活データモニタリングと専門スタッフの伴走支援を組み合わせたサービスです。介護事業者が既存のケア体制にSTARTWELLを組み込むことで、利用者の日常的な健康状態の把握を強化し、スタッフの観察負担を軽減しながらケアの質を高めることが可能です。
まとめ
介護現場へのICT活用は、業務効率化とケア品質向上の両立を目指すうえで不可欠な視点です。記録・シフト管理・見守りシステム・ウェアラブル活用など、目的に合ったツールを段階的に導入することで、持続可能な介護サービスの提供につながります。
ナースアンドクラフト株式会社 広島県呉市大崎下島を拠点に、訪問看護・予防医療・デジタルヘルスを組み合わせた地域医療インフラの構築に取り組んでいます。 2024年 アジア健康長寿イノベーションアワード テクノロジー&イノベーション部門 グランプリ受賞